需要と供給のバランス

不動産の価格は、売り主と買い主の需要と供給の関係、「懐具合」によって決まる。不動産は他の商品に比べて、価格決定の過程に多くの「事情」が絡むために、複雑で、透明性に欠けるという指摘もある。だが結局は、需給のパワーバランスによって決まっていく。当たり前のようだが、意外とこの原則を忘れている人がいる。不動産の取引価格は、本来、国や県、市などの行政機関が決めてくれる筋合いのものでもないし、不動産業者や金融機関が決定するものでもない。バブル時に地価が急激に上昇したため、都道府県知事または政令指定都市の長が(地域を指定して「監視区域」とし、一定の条件で土地取引について届け出を義務づけられるとした国士利用計画法Ⅱ国士法に基づき)、価格のガイドラインを設けて規制を行った例がある。業界や一般の人もそのガイドライン自体を価格そのもののように錯覚し始めた。国士法価格Ⅱ不動産取引価格という図式は、自由主義国では本質的に無理がある。やがて矛盾が生じてこの図式は崩壊した。国土法価格を不動産業者も金融機関も金科玉条のごとく取り引きの指標としたのは、今から考えればこっけいなことであった。これは不動産の価値価格の本質や、取り引きの基本を全く無視したことから起こったのであって、喜劇であり、最後には悲劇的な結果となってしまった。この国土法によって、現実の不動産市場の実態が反映されない「価格」が生まれ、経済的合理性とはかけ離れて市場の動きをますます不透明にさせていった。

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